アルプスイモリ


 
アルプスイモリ(Ichthyosaura alpestris alpestris?) (左雄)         (右雌 )
         

フランス北東部等の低地から高山に幅広く分布する。アルプスイモリは多くの亜種があり、上画像の種名も産地が不明の為はっきりした種名は分からない。


清涼な環境に生息していると思われるが飼育はそれほど難しくはなく、餌食いもいいし繁殖も可能だ。陸生種ではあるが水中にいる事が多い。日本で言うシリケンイモリのような感じだろうか。水陸どちらでも飼育できるが水中飼育の方が断然楽ちんだ。水中での餌は活赤虫を与え、しだいに冷凍赤虫へ切り替える。陸ではハニーワームを好む。
餌食いの良い本種だが水温は低めに設定した方がいい。水温気温が高いと調子を崩し死にやすい。最高
23℃程が理想。


繁殖期 雄

春の繁殖期に雄は背中の飾りヒレが若干大きくなり
体側に青い婚姻色が鮮やかに現われる。
産卵中

産卵中の雌。3月〜5月にかけダラダラと産卵が続く。

後に孵化した幼生は先に孵化した幼生の餌になってしまうので、ある程度産卵したら隔離して管理した方がいいかもしれない。私は共食いさせて大きく丈夫な幼生を育てるようにしています。
卵の様子

産卵期は3月〜5月にかけて行われる。

他のTriturus同様、冬は低温にさらし春に換水してやると繁殖を始める。

卵は1粒づつ水草などに産み付けている。何回かに分けて産卵し、卵数は最終的に100卵強ぐらい。造花の先端が折りたたまれて産み付けているのが分かるだろうか?
2006年 ビニール紐を使用した産卵床。
孵化直後の幼生

およそ2週間ほどで孵化する。孵化後の幼生には1週間を過ぎたあたりから給餌し様子を見て食べるようなら、少量ずつ餌を切らさないよう与える。


幼生飼育は止水棲種に順ずる。

変態間近の幼生

冷凍赤虫を食べ順調に成長した幼生は晩夏ごろに上陸する。成長が遅いもの、遅くに孵化したものは越冬幼生となるものもいる。

アルプスの特徴的な体色の灰青色が出てきている。全長約4cm。
上陸幼体

上陸幼体は成体よりも多少体色が鮮やか。コオロギ1令、ハニーワーム小等を食べる。口元で冷赤虫をゆらしてやると食べるようになるが、頭数が多いと正直めんどいので活餌を放り込んでいる。

あまり湿度が高いのは好まず、皮膚が少し乾いている状態を保つ。砂利に傾斜をつけて1cmほど水場を作れば自分なりに水分調整するので手間がかからない

成体は寒さに強いが幼体はそれほどでもないので極端に寒い場合(室温1桁前半)15度ぐらいには加温したほうが安心。

飼育環境

床材に砂利を敷き10cmほど水を張っただけ。

多少の傾斜をとってあり、3つ並んだ石から奥は砂利ギリギリ水が浸るようにしてある。年間通してほとんど水中から出ないが雨の日などは出るときもある。

丈夫なイモリだが綺麗な水を好むのでエアレーションし、活性炭を放り込んである。1ヶ月に1度は水替えする。

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