ベッコウサンショウウオ


 
ベッコウサンショウウオ(Hynobius ikioi)

熊本、宮崎、鹿児島の高山源流に生息する大型のサンショウウオ。
現在は生息県の全てで県指定保護種に指定されている。

高山源流性のため温度は最高20〜23度程に設定する必要があるが飼育は餌食いがいいので飼いやすい。しかし繁殖は非常に困難。皮膚が他のサンショウウオに比べ弱いようでケージや水質の悪化には注意しないと細菌感染をおこしやすい。

餌は他のサンショウウオと同じく、コオロギ、イモムシ、ワラジムシ等。ピンセットからも食べるようにはなる。


黄色の強い個体

日本一美しいサンショウウオと言われる本種だが、この体色は保護色。生息地の石を注意して見ているとこの体色と全く同じカラーの石を見かける事がある。


黄色があまり出ていない個体

鼈甲色なのでベツコウサンショウウオと和名がついているがこの個体のようにあまり黄色が現われない個体や全くの無斑の個体もいる。大型のサンショウウオなので無斑の個体はオオダイガハラサンショウウオに似ている。頭の形やヒレ状の尾が特にそう感じさせる。

(上 ベッコウサンショウウオ卵嚢)
大型のサンショウウオなので渓流性にしては卵数が多い。表面は皺があり柔らかい。

(左 繁殖地)
標高約1500メートルに位置する大きな石と伏流水で構成されている源流部。

伏流水は地中を通って湧き出し流れとなり、積み重なった石で段差ができている場所でまた伏流水となっている。その石が重なった段差の最低部に産卵が確認できる。地中の流れの中にも多く産卵しているのだろう。吐出部の出口付近でも成体が見られる。

繁殖期は3月中旬〜5月上旬に行われ水温は手を入れていられないほどの冷たさで流量は多い。

飼育環境(現在捕獲しての飼育は禁止されてます)

90cm水槽を使用。水深15cm、年間最高水温20℃ほど。水中モーターでシャワーしている。床材は桂砂を使用。桂砂の上に水切りかごと6個のレンガで陸場を作ってある。レンガは桂砂の上に2cmほどの厚みのレンガをかませて産卵床として使えればと考えた。

シェルターとして四角のヘゴ板を陸場に設置。間に2cmほどの隙間を作りシェルターとしている。その他コルク板と苔で陸場の殆どがシェルターのようになっている。

飼育は温度と衛生に気をつければ問題ないが、流水性種は本種に限らず飼育下での繁殖は非常に難しい。繁殖の条件は産卵までの栄養状態、クーリング、水温気温の変化、産卵する為の石のサイズ、形状、砂礫の状態量、水深、水質etc...なので実際の繁殖場所は最低限観察に行った方がいいでしょう。結果はどうあれ繁殖は飼育者の目標だと思いますので。

   
備忘録
飼育していた個体
2004年4月末、成体で採集。2019年10月8日死亡。
SVL115mm、全長240mm。
戻る国産種紹介kokusannshu.htm.