キメアラフトイモリ

 
キメアラフトイモリPachytriton granulosus
 
浙江省、江西省、福建省に分布
成体は低標高の小川などに生息し、幼体は陸生で皮膚が荒い事から種名になっている。

2016年現在
フトイモリの仲間は標本の間違いや、再分類による新種続出で混沌としている。

元々は北部のgranulosus南部のlabiatus、本種の黒いスポットの出るbrevipesだったが
labiatusの記載標本自体が何とParamesotritonであり、labiatuの種名はpachytriton labiatusから
Paramesotriton. labiatusへと変わってしまい、名無しになった元Pachytriton labiatusは
Pachytriton inexpectatus(予想外の意)へと種名が変化した。

北部のgranulosusは黒斑が無いタイプで紹介されていたが、近年の調査では河川によっては
黒斑のある個体群が多数発見されており、外見での区別が全くつかない状態で、下記のP.brevipesも
granulosusの可能性が高い。黒斑が出るタイプとして他にP.archospotus等が知られるが、黒斑の有無自体が
生息環境によるものであるなら、斑紋の形状や色での識別は難しい。

 コクハンフトイモリ (Pachytriton brevipes
(上記説明のようにキメアラフトイモリP.granulosusの可能性が高い)

中国東南部に分布する渓流性のイモリ
シャンハイフトイモリというインボイスで入荷する。

飼育は完全水棲の為、陸場は必要としない。渓流性のイモリなので水温は20℃ほどが調子がいいが25〜26℃でも飼育できる。ただし水中溶存酸素はかなり必要だと思うのでフィルタリングとともにエアレーションはしたほうがいい。

あまり協調性のよい種ではなく複数飼育をする時は大きい水槽でシェルターを多く入れて飼育する。特にペアでなく同性は激しく噛みあう。噛み殺すまでやるので注意。

餌付きは非常によく、メダカ、エビ、オタマ、活赤虫をはじめ馴れるとクリル、キャット、冷凍エビ等口元にもっていくと食べるようになる。

雄個体

雌雄判別は繁殖期以外は分かりづらい。
繁殖期には雄は総排泄腔が肥大するので判別できる。

繁殖体制の整った個体は尾の先に白い斑紋が現れ、雌の前で尾を振って求愛するスタイル。

石の下に40個ほどの白く大きめの卵を産卵するとの事。
頭部

中国産水棲イモリに共通してみられる金色に黒の瞳。体色は赤茶に黒のスポットが入り結構きれいだと思う。日本ではあまり人気の無いグループだがヨーロッパやアメリカでは結構人気があるらしい。


飼育環境

60cm水槽にペアで飼育。
水深15cmほどで水中ポンプで濾過槽へ給水して水を落とし水中溶存酸素を増やすようにしている。

床材は大磯を使い、大小の石を多めに入れシェルター兼産卵床としている。繁殖は難しいようで求愛行動はとるが産卵には至っていない。

戻る中国産種.chuugokusan.htm