イベリアファイアーサラマンダー


イベリアファイアサラマンダー(Salamandra salamandra bernardezi)   左(雄)    右(雌)

北、北西スペインに分布する。
山地の森林に生息するが人家の裏庭のような場所でも見つかる事があるという。
場所により体色に変異が見られオレンジ、茶色、ストライプ、全身黄色と多彩。

ファイアーサラマンダーの中では小型の亜種で冷涼な環境を好む為、飼育には冷却装置が必要となる。
20℃ほどが理想で25℃以上では状態を崩しやすい。特に急な温度の上昇には弱い。

餌食いは非常に良く、コオロギを中心とした虫系やハニーワーム、ミミズなど動くものに対し強く反応する。

雄の総排泄腔

繁殖期の雄では顕著に肥大するので雌雄の判別が容易だが非繁殖期にはあまり雌雄で差が無くなる。上画像の雄は上方から見ても肥大しているのが分かる。

非繁殖期での雌雄判別は私は体型と総排泄腔の2ヶ所で判別している。雄は雌よりもやや小型の事が多く、前肢で雌を抱える為に前肢がしっかりしている。痩せている個体では分かりずらい。
求愛行動

ファイアーサラマンダーは全亜種共通で雄が雌を抱えるような行動をとる。

卵ではなく、幼体や幼生を出産する。繁殖は基本的に春のようだが秋頃に出産するものもいる。
精子嚢

雌を抱えだした雄はやたらと氷山の模型のような粘着質の精子嚢を出しまくる。1時間に5、6個ほど出すこともある。求愛行動があればだいたい狭いケージの中でのこともあり受精している。

飼育環境

床材は赤玉を使用。水切りザルで底上げし、水深5cm程の水場を作っている。成体は水に溺れるので水場の底にも赤玉を少しひき、活性炭を足場兼水質の浄化になればと思い置いている。清掃は月1度丸洗いする。床材の汚れは感染症を引き起こす原因になるのでフンや餌の残骸は見つけしだいに捨てる。

通常はシェルターに潜んでいる事が多いが、餌のコオロギをばらまくと急いで出てきて追いかけている。協調性の悪い種では無いが45cm水槽では2匹ぐらいがいいと思う。

餌は週に2回で1回はコオロギを20匹ほどばらまき、2回目はハニーワームLを1匹ずつピンセットで与えている。

戻るヨーロッパ種europe.htm.