イベリアトゲイモリ


イベリアトゲイモリ (Pleurodeles waltl

イベリア半島、モロッコに生息する水棲種。

飼育が非常に容易でまさに外国産イモリの入門種。市場にペットとして出回る個体はすべてCBだと思う。知る限り1980年台にはCB個体が流通していた。おそらくはもっと以前よりペットとして繁殖されていたのだろう。

温度は日本の室内なら無加温で繁殖が可能で適温は15℃〜28℃ほど。繁殖期に決まりは無いようで春夏秋と大量に産卵する。基本的には水温の変化がきっかけとなり水換えした翌週などに水草でも水中モーターでもフィルターでも何にでも卵を産み付ける。

餌は冷凍赤虫、イトメ、キャットなどなんでも食べる。

体の側面にあるイボから掴むとチクッとするぐらいの肋骨の先端を出すことが出来る。

イベリアトゲイモリ (雄)

雄は求愛行動をとるときに雌を前肢で背負い込むため前肢が雌に比べ大きく、いかり肩のように見える。

上画像は雌。

求愛行動

ちょっと分かりずらいが下が雄。前肢で上雌の前肢を抱えている。(天秤をかつぐポーズ)

この状態でしばらく泳ぐ姿をよく見かけるが、求愛行動をとったからすぐ産卵するというわけではない。


産卵し孵化した幼生はかなり小さいが成長は早く、1年ほどで10cmぐらいになり、変態しても上陸することなく水中でキープできるので管理が楽。


個体の大きさにしては小さい卵を1匹で200卵ほど産卵する。決まった繁殖期は無いようで冬以外一年中いつでも産卵している。

卵は取り出して管理しないと親に食べられてしまうので増やしたい時は隔離する。孵化した幼生は小さく、ブライシュリンプかイトメを刻んだものを洗って与える。秋に産まれた場合、冬はヒーターで加温しないと幼生は死んでしまう事があるので注意。
孵化1ヶ月後の幼生

孵化直後の幼生はとても小さく、1ヶ月経った個体のサイズで約2cm程。

大きく育った幼生。約6ヶ月。全長約6cm 変態間も無い幼体。上陸はしないので楽だ。

飼育環境

完全水棲種なのでフルタンクで陸は必要としない。丈夫なイモリでよく餌を食べ、動き回る為、代謝がよく水が汚れるのでフィルタリングし、月1回は半分ほど水換えをしている。60cm水槽で飼育しているがもっと小さい水槽で飼育しているのなら週1回は3分の1ぐらいの換水をしたほうがいい。

ほとんど死ぬ理由がないような種だが水棲種は水が命で水が汚れると病気が蔓延する。水は見た目より汚れるので定期的に水換えをしよう。

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