キタサンショウウオ



キタサンショウウオ(Salamandrella keyserlingii )

日本では釧路湿原からのみ生息が確認されているが、分布はロシア、カザフ、モンゴル、中国、北朝鮮、日本と6カ国をまたぐ広大な分布域をもつ。日本唯一のサラマンダー。

全長は尾長分、♂の方が大きく、繁殖期の♂は黒ずみ、画像のような体勢で尾を振る行動をとる。♀が近づくと尾で手繰り寄せ、産卵を促す。


湿原のサファイアと呼ばれるキタサンショウウオの卵嚢
左)高層湿原(鶴居村) 右)低層湿原(釧路市)のもの

光の反射角により、淡く青光りし、またその卵嚢内の卵径は非常に小さい。

産卵場所の様子

左)鶴居村 右)釧路市
高層湿原と低層湿原の両環境に生息しており、個体数は高層湿原の方がより多く確認できるようだ。Hynobiusを見慣れた私としては、山間部森林に依存しない有尾類の生息環境は馴染みが無く、探すのに手間取った。

キタサンショウウオ中国産

2010年に入荷のあった中国北東部産とやらの個体。国産が殆どの場所で保護されている為、本邦産は飼育できないが、ロシアや中国からたまに輸入される。現地では普通種で希少な生物ではない。背面の模様は国産と比べやや帯が崩れた模様を呈している。国産種もそうだと聞いたが、飼育では極端な低温が不可欠な訳でもなく、導入初日から猛烈にハニーワームに喰いつき、1週間でピンセットから食べるようになった。世界をまたにかけて生きるサラマンダーなので弱くはないのだ。

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