コイチョウイボイモリ


コイチョウイボイモリ (Tylotriton kweichowensis )

雲南省、貴州省にかけ山地の林床部に生息する陸棲種。第2級保護動物。

習性は他のTylotritonと同じく林床部でミミズや陸貝等を捕食し水中や水際などの植物に産卵する。

飼育下では主にハニーワームを好みコオロギは小さいものなら食べるが最初はハニーワームやミミズなどを与えないとすぐにはコオロギに餌付かないようだ。特に雄は食が細い事が多い。まずはハニーワームに餌付かせてレプトミン等の人工餌も混合して与えたい。

低温にはあまり強くなく、冬は12℃を下回ると餌をあまり食べなくなる。夏は蒸らさなければ30℃でも問題ない。夏場の蒸れと床材の衛生には注意が必要だが比較的餌食いもよく繁殖例もあり飼育しやすい。

2019年にサイテスU類に指定され、輸出国の許可なく輸出が
出来なくなった。中国では以前より保護動物だったため
今後の輸入の見込みはなくなった。


コイチョウイボイモリ頭部

かつてはズグロイボイモリと呼ばれたように頭部は概ね黒く耳線から背面上に3本の朱色のラインが入り尾と指先、総排泄腔はほぼ朱色になっている。
飼育環境

60cm水槽を使用。3分の1を水深5cm程の水場にし陸場の床材は砂利をやや湿らせ、ミズゴケを入れてある。水場を作らずに湿らせた苔リウムやヤシガラで飼育してもいいと思う。産卵はいずれにせよ繁殖用に別水槽をつくった方がいいようだ。

繁殖水槽は水中で求愛出来るよう十分なスペースと水深をとる。成体の大きさの2倍以上の水深が目安。水中には水草を多く入れ、苔をおいた陸地も作る。繁殖はただケージを作るだけではなく繁殖期までの栄養管理と気温や湿度の変動を感じさせてあげる事も重要。3月後半から梅雨過ぎまで野外飼育がいいかも。

左画像奥の小さい個体.2匹は雄。総排泄腔を開いて判別も可能。ミナミイボイモリのページに判別法記載。
繁殖用水槽

Tylotriton共通の繁殖用ケージ一例。

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