オオサンショウウオ


オオサンショウウオ(Andrias japonicus )

岐阜以西の本土、九州の一部に生息。高知県でも複数の成体と幼生も発見され、生息の可能性が高い。その他の地域でも発見例は多いが、見世物になっていたものが逃げ出したり捨てられたりした個体が発見されるようだ。

1952年に特別天然記念物に指定され、一般的にサンショウウオといえば本種を連想させるほど有名なサンショウウオの代名詞的存在。全長は1メートルを越える個体もいるが通常60cm前後が多い。(九州ではもっと小さい)河川の中流から田んぼの水路にまで見られ小型種よりもよほど目にする機会は多い。繁殖期は8月〜9月に行われ(夏の高水温から急激に20℃を下回る頃)、上流の繁殖地に向け遡上する。オオサンショウウオを取り巻く問題としてこの遡上を妨げる堰堤が作られたり、生息地が護岸化され巣穴が無くなるとか、最近では放流した鮎が喰われるから駆除したい等という問題がおきている。その一方で積極的に生息、産卵巣穴を掃除や設置したり人工的に繁殖させたりと熱心な保護をされる方も多い。個体数は徐々に増加しており、生息が危ぶまれるほどのレベルでは無いが学術上貴重な生物であり、日本の宝だと思う。

オオサンショウウオは少なくとも50年以上の寿命をもつと思われる。繁殖には1匹の雄が巣穴を取り仕切り幼生が孵化するまで巣穴を守る。10月頃に孵化した幼生は翌春の1〜3月に巣穴より川の中へと分散しおよそ4〜5年で外鰓が無くなり変態するらしい。その後の成長は水温や環境により成長の度合いが違うが飼育下では約10年の個体に総排泄腔の隆起が見られたという。サイズにしてみると野外では30〜40cmの個体が繁殖行動に参加していたとの報告があり1年間に1cm以上成長をするものは成長が早い方に入る事から80cmになるにもおよそ50年はかかる計算になるのではないだろうか。過去最大の個体で160cmほどある個体がいたようだがどのぐらいの寿命だったんでしょうね?スゴイもんだ。
上野動物園内の両性爬虫類館

上記画像個体が飼育されている。オオサンショウウオは繁殖するのに遡上行動が必要で繁殖を狙うには一般的に水槽を4つほどパイプ等で連結させてグルグルと無限に移動させてやる事が必要。だがだいたいの飼育施設では観賞がメインである為、大型水槽での展示に徹している。水温は20℃に設定してあった。

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