ヘルベンダー |
ヘルベンダー(Cryptobranchus alleganiensis alleganiensis )
アメリカ合衆国中東部 ・アラバナ、ジョージア、ミズーリ等に分布
画像の飼育環境は今見ればただのキープでしかなく、餌に金魚が入っているが、これだけではダメ。
水槽に昭和62年12/27とあり、水換えをした日を書いていた。高校1年の時コツコツ、バイトして
買った個体だが6年ほどで死なせてしまった。また機会があれば飼育したい種だ。
ヘルベンダーは基本的に習性が日本のオオサンショウウオと変わらない為、安佐動物園の
繁殖データなどがそのまま流用できると思う。飼育自体は水温が14度〜16度。20℃ぐらいまで
大丈夫だがデメリットのみで特にメリットは無い。夏は確実に冷却装置が必要となる。
餌は魚、サワガニ、貝などで飼育下では金魚をよく食べるが、最初の餌付けだけにして
通常はドジョウ、エビ、ピンクマウス、タニシの身などを与える。結構みかけによらず馴れる。私が
近づいて蓋を開けると水面ギリギリまで近寄ってきて、餌を鼻先にくっつけるとバクっと食べていた。
安佐動物園では孵化後3年までは赤虫、その後は冷凍オキアミ、繁殖可能個体にはワカサギ、
ドジョウを与えているという。冷凍オキアミの塩分やサイアミナーゼ等が成長に障害を与える
心配が考えられたが特には障害は出ていないそうだ。
繁殖に関しては「徘徊」、「複数繁殖」、「巣穴の形状」などに特徴があり(オオサンショウウオの場合)
繁殖期になると上流の繁殖地に向け遡上(徘徊)する。おそらく9月頃と思われる。飼育していた
ヘルベンダーがなぜか毎年晩夏に逃げ出し、埃まみれで見つかっていたのだが水温が下がる頃
強い徘徊行動欲求が湧くのだろう。たとえ150cm水槽を使用しても同じ空間では徘徊欲求が
満たされない為、繁殖には繋がらないようだ。大きい水槽を仕切りで4等分するか、コンテナを
4つ連結するかしないといけない。どちらも溶存酸素が豊富で冷水を維持し、水温に変化を加える
となると井戸水を使用するのが良さそう。クーラーやフィルターで・・と考えると相当大掛かりな
システムとなる。幸い私の実家は東京だが地下水があるのでいずれは・・と考えている。
複数繁殖とは基本的に優位の雄が巣穴を取り仕切り、雌の産卵、他の雄の巣穴に入るタイミング
等を取り仕切り、巣穴を卵が孵化するまで守るという行動をとるのだが1ペアでも成立するとの事
だが確立的にはやはり低くなるので複数が有利だろう。
高価なサンショウウオなので複数導入するとなると何十万になる。う〜ん・・・だれかやって下さい。
巣穴になる条件もあり流れに対する入り口の角度や大きさがあるようだ。「大山椒魚」という本に
詳しく載っているので必読だ。(引越し時に無くしてしまった)
安佐動物園は世界で唯一大山椒魚の繁殖に成功している施設でデータも豊富で素晴らしい!
(ちなみに中国大山椒魚も繁殖が確立しているがヘルベンダーでは聞いたことがない。)
一方でメディアでは大山椒魚が異常繁殖などと報道し魚を食い荒らし、人に危害を与えると
まるで害魚のような報道をしている。繁殖の為の遡上を妨げる堰堤を作り、行き場の無い大山椒魚
は下流に留まるを余儀なくされ目撃される機会が増えるので増殖していると思われているのではと
個人的には思うのだが?(そこに魚を放流してもそりゃ食べる)それを異常繁殖と言われてもねぇ?
堰堤を越えようと手のひらが擦り切れ、血まみれの大山椒魚はしかたなく下流のテトラの下等で産卵
するが増水で卵は流され、魚に食われ、待っているのは全滅という悲劇のみである。もっと優しくしてくれ〜。
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