ミナミイボイモリ |
ミナミイボイモリ (Tylototriton shanjing ) 中国雲南省等に分布する山地性陸生種。 ミナミイボイモリは「shanjing complex」として外見的に似通った多くの種(verrucosus,anguliceps, uyenoi等 )を含む種名になっている。日本に入荷しているミナミイボイモリはT.verrucosusとT.shanorumなどが混ざっていると思われる。T.shanjingとされる個体群の分布域は狭く、対してverrucosuの分布域は広大で、分布域の東西で色彩に変異があり、ベトナム側では黒色、中国側では所謂オレンジのミナミイボ色で中心部に向かい混合するらしい。後肢から尾にかけてのイボもshanjingは4個verrucosuでは2個と言われていたが混在していて関係無いようだ。 古くからペットとして輸入されている種で飼育は比較的簡単な部類に入ると思う。 適温は15℃〜30℃ぐらいまでで、冬はそれ以下でも大丈夫だが10℃を切るようならパネルヒーター等で加温した方が無難。パネルヒーターは下にひくのではなく横に張り植木などに熱があたるように設置する。蒸れには弱いので通気は良くする。 餌食いは大変良く、ハニーワームが最も反応がいいが簡単に餌付くのでレプトミン等の人工餌でもいい。 自然下での繁殖期は6月〜9月の雨季に水中で行われる。 2019年にTylototriton属の全てがワシントン条約のU類に指定され、輸出国の承認がないと輸入できなくなった。 |
雌雄判別 (左) 雄 (右) 雌 外見は雌の方が全長で大きく、雌らしいふくよかな体型。雄はオレンジ色が雌よりも鮮やかなオレンジの個体が多く背面は角ばった印象を受ける。 |
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雌雄判別 総排泄腔を開いた状態で丸い穴が現われるのが雌。 |
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雌雄判別 総排泄腔を開いた状態で縦にパクっと割れるのが雄。 100%確実というわけではないようだが、だいたいはこの方法で判別することが出来る。 他のTylotriton、Echinotriton属でも共通の判別方法でかなり使える。 |
飼育環境 60cm水槽で3分の1を水場にしたアクアテラリウム。 蒸れないように網の蓋などを使い、多少湿度のある水場とやや乾いた陸地を作り、個体が選択出来るようにしている。水場はエアレーションして清潔を保つ。 あまり多湿な環境も良く無いので30cmほどの水槽で飼育する場合は水場は作らず床材で湿度を保つ方がいい。 実によく馴れる種で水槽を覗くと餌をくれると思い、みんなで上を見上げる仕草がかわいらしい。 |
冬季の低温下(10℃程)で食の細くなった親成体は3月頃に温度上昇とともに食が活性化する。 雌は4−5月になると活性化した食欲が多少減少する。 そのタイミングで用意しておいた水を張った水槽へ投入すると産卵する。 雄は雌を水中へ投入するよりも2週間ほど早く投入しておくと水棲化し、スムーズな繁殖行動を行う。 |
孵化後3か月ほど経った幼生 |
変態間近の幼生 |
卵から孵化した幼生は孵化後、約1週間からブラインシュリンプやミジンコを与え 成長とともにイトミミズなどに切り替える。 体に成体と同じような模様が現れ、外鰓の縮小が確認できたら上陸する場所を設置して変態させる。 変態までの期間は長く、半年から1年ほどかかる。 |
変態した幼体は温度が低いと餌は食べずそのまま死んでしまう。 20℃ほどで管理し最初の餌はイトミミズを与える。 通常変態後10日前後で食べだすが、個体差があり食べない個体は一月ほど食べない。 イトミミズを食べだせば週を追うごとに積極的に食べるようになる。 最初から人工餌などはあまり食べようとしない。 |
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