オキサンショウウオ

 
オキサンショウウオ(Hynobius okiensis

繁殖期の雄(上画像)
雌(下画像)

隠岐の島後にのみ生息する流水性サンショウウオ。
山地渓流付近の林床に生息する。

幼生には止水性種の特徴である平衡器官(バランサー)があり、流水から止水へ、そしてまた流水へと
戻る進化をしている。

神域にも生息している為、島の人々の認知度は高い。
ジオパークに隠岐諸島が指定され、本種も島根県指定保護種となる。
個人的には生息地にマイクロバスで観光客を送迎していたり、ご当地キャラの作成などで
観光客を呼び込む「客寄せパンダのような位置づけになってしまい残念。
その他も保護の為なんだから卵嚢の画像を無料で貸せと威圧的な要請があったりと
何やら腹立たしいが、保護指定したのだからしっかりと調査、保護して欲しいと思う。

オキサンショウウオの卵嚢

ちぎれて流されていたもの。通常は3月下旬から4月にかけ直径1メートル以上あるような巨岩の下の下などに産卵する。

これは生息する渓流を重機でガッツン、ガッツン工事していた作業員の方の話だが、河川工事の際に巨岩をどけると卵嚢と複数の成体を見ることが出来るという。当たり前というか、どかされた岩に付いてる卵嚢はほっとかれる。生息河川での工事自体問題有だと思うのだが・・。
2006年の観察時に発見した卵嚢

巨岩や伏流水では無く、滝壺付近で発見。
緩やかに流れが通るガレの中に複数を確認できた。
背面に茶褐色の斑紋が入っている成体。

オキサンショウウオ幼生

孵化した幼生は当年変態するものや越冬幼生となり
翌年春以降変態するものがおり、通年水中で幼生の姿を
確認する事ができる。

黒い大きな斑紋が特徴的。
上陸直後の幼体

1992年に幼生を採集し約6年間飼育。幼生はホルスタインのような黒くて丸い斑紋があり上陸後左画像のようなマダラになる。

成長に伴い黒い斑紋部分がベースになり黄色い部分が細かい柄になる。その後黒いベース地は赤紫色、黄色は茶褐色になった。

コオロギの小さいのが手に入らなかった時代の為、餌は赤虫が中心だったがあまり餌食いは良くなかった。おそらくワラジムシや小さいコオロギにはいい反応をするだろう。

成体からの飼育は経験が無いが、他の流水性種に順ずると思われる。

生息地の状態

すぐ横は舗装道路。割と開けた渓流。魚はいない。隠岐タゴガエル以外は川虫、ヤゴぐらいしか見たことが無い。海岸近くから隠岐最高峰の山まで見られるが最源流性ではないようで流量の多い河川に見られる。

3月後半まで雪が残っているときもあったが水中に入っている個体もいれば、雪がかぶる石積みの下で待機している個体もいた。

越冬する幼生も多く一年中幼生は確認できるが成体を探すのは結構難しい種だと思う。

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